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通常の精神状態では、あのようなプレイは起きない。

問題のタックルシーンを見たのは、ありえないと騒がれ出した頃のYoutubeの映像だった。たしかに悪質だと感じたが、日本代表にまで選出されるような優れた選手が、自分の判断のみでこんな悪質プレーをするはずがないと思った。

なぜなら、以前こういうプレーを見たことがあるから。

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話は10年程遡るが、僕は高校生の頃ラグビー部に所属していた。

当時、そのラグビー部の試合中に、今回の悪質タックルとほぼ同じプレイをしたチームメイト(当時1年生の後輩)がいたことを思い出した。

悪質タックルをしたそのチームメイトは、体格は良いが気が弱く、監督からはいつも「タックルにビビるな」と怒鳴られていた。その日も、何とかタックルをしなければ『怒られる!!殴られる!』という恐怖心が彼の中でとても大きくなっていたのだろう。

しかし、スピードに乗って突っ込んでくる相手の足元に飛び込む勇気はなく、プレイを終えて無防備になった選手の足元に飛び込んだんだろう。

あのプレイは、どう見ても「監督に対してのアピール」だった。部員の僕らならわかる。

結果としてレイトタックルという反則を取られ、相手選手は足首を痛めて交代したと記憶している。

監督には更に怒られる結果となったが、大事にはならなかった。

試合の後、そのチームメイトは監督に、僕らの前で20発ほど顔面を張り手で殴られていた。鼻血が出た顔を何度も。

殴っていた理由は、どう見ても「危険なプレイだから」ではなく、「タックルにビビるその臆病さに腹が立ったから」

そのチームメイトはその後、部活を辞めた。

僕らの監督は相手チームにあの危険プレイを謝罪したのだろうか?断言はできないが多分していない。あくまで試合の中で起こった反則の1つで、危険なプレイとしての認識すらなかったと思う。

僕達は理不尽なことで暴力を振るう監督に不信感を募らせていたものの、反発することはなかった。というかできなかった。

唯一牙を剥いたのは最後の最後、卒業式の日、3年の部員全員で監督の車のタイヤをパンクさせてフロントガラスに「Goodbye Forever!!」と口紅で書いた。当時はそれが精一杯だった。

そんな暴力的だった監督も、今では時代に合わせて指導方針を変え、大人しくなったと聞く。

そんな経験から、あんなおかしなプレーは通常の精神状態では行わないと僕は知っている。何かしらの圧力やプレッシャー、あるいは指示により、精神的に追い詰められている状況でないと行わない行為だ。

大学とは何を教えてくれるのか?

僕も、宮川君の会見も中継で見るほど関心は高かったので、意識的に悪質タックル問題に関する番組を見ていた。もちろん昨夜の日大側の記者会見も含めて。

日大のアメフト部のイヤーブックには、

「常勝チームとしてあるべき姿を追い求める」という内田前監督のマインドが大きく記されている。

なぜ学生の部活の『根幹』に、常勝という言葉がでてくるのか?

勝たなければならない。完全勝利主義を部活に求めることが、そもそも教育と言えるのか?一体大学とは何を教えてくれるのか分からなくなる言葉だ。

一連の事件を見てきて一番感じたのは、日大はもはや「教育機関」ではないということ。

試合の指示として「潰せ」というのは、日大では頻繁に使う。

日大の文書回答の中にこのような文言があった。もちろん他の大学でもよく使われるだろう。

アメフトの映画でも「1プレー目で相手を潰せ!」などの台詞はよくある。

少々過激ではあるが、闘争心が必要なコンタクトスポーツにおいて、僕はその言葉に違和感は感じない。

では、頻繁に使う「潰せ」という指示を、なぜあの時、あの瞬間だけ宮川君は勘違いしたのか?まさか宮川君に潰せと指示したのは初めてなのか?

まさに、世間が求めている焦点からは大きく逸脱した日大の回答。まるで答えになっていない。

日大会見の司会者

最初僕は、司会をしているのは日大の弁護士で、あのような誰もがブチ切れるような進行を意図的に行い、会見の内容を誤魔化す作戦なのだと思っていた。

最後に広報部の職員だと知った時には、もう笑うしかなかった。

サッカーの日韓戦で、毎度当たり前のように起きる殺人スライディングをする大人ですら、一切謝らないというのに、宮川君はたった一人で謝った。

この一件について、どちらが嘘を言っているのかを証明できるのは、宮川君のチームメイトしかいない。「腹が立つ、ありえない。」とテレビ局のインタビューに答えるのなら、宮川君の為にも、アメフト部の為にも、日大の全ての在校生の為にも、一刻も早く勇気を出して証言してやって欲しい。

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