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DON'T GIVE UP, ARON

DO NOT GIVE UP.

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出典:127時間/facebook

初めてこの作品を映画館で見てから7年くらい経っただろうか。

付き合いたての当時の彼女を誘って映画館へ足を運び、ポップコーンとビールを片手に意気揚々と見始めたが、ラストシーンでボロボロ泣いて彼女を引かせてしまった恥ずかしい記憶は、時間が経っても陰ることはない。

しかし、なぜこのタイミングでこの映画を紹介するのかと言うと、最近原作の本を読み終えたからである。

原作を読み終えた後、改めてこの映画を見ても、やっぱり泣いてしまった。

今回は、この『127時間』という素晴らしい作品の全ての魅力を紹介したい。

127時間

制作:2010年:アメリカ

監督:ダニーボイル

原作:アーロン・リー・ラルストンの自伝著書『奇跡の6日間』

出演:ジェームス・フランコ

上演時間:94分

あらすじ

当時27歳だった登山家アーロンは、たった1人でユタの険しい谷へロッククライミングへ出かけるが、誰も通りそうもない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。

身動きの取れなくなったアーロンを襲う絶望と希望の127時間。

本作は、登山家アーロンの体験を元に制作されたノンフィクション映画。

監督:ダニーボイル

監督は、ぶっちぎり青春映画「トレインスポッティング」こと「トレスポ」を世に送り出した我らがダニーボイル。僕は彼の映画が大好きで大体映画館で見ている。

アカデミー賞を受賞し評価の高かった『スラムドッグ$ミリオネア』はちょっとあんまり好きじゃないけど・・・

原作:アーロン・リー・ラルストン

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出典:wikipedia(アーロン・ラルストン)

アメリカの登山家で演説家。

ラルストンは、コロラド州グリーンウッドのチェリー・クリーク高校を卒業し、ピッツバーグカーネギーメロン大学に入学、機械工学フランス語を専攻し首席で卒業した。また副専攻としてピアノを学んだ。カーネギーメロン大学在学中、リサーチアシスタントとして従事した他、海外に留学し、学内スポーツに汗を流した。その後インテルにメカニカルエンジニアとして勤め、2002年登山に専念するためインテルを退社。彼の当時の目標は、コロラドにある14000フィート(およそ4200メートル)を超える山すべてに冬期単独登頂することであり、これは当時まだ誰も成し遂げていなかったが、その後彼はこの偉業を成し遂げた。

wikipediaより引用

皮肉なことに、2003年に自身に起こった断崖事故をきっかけに、自伝小説『奇跡の6日間』を発表、映画『127時間』も制作され、彼はますます有名人となった。

1人の登山家が見せた極限状態での生への執念

落下した岩に右腕を挟まれて、身動きの取れなくなったアーロンが考えた脱出方法は3つ。

  1. ロープで岩を吊り上げる
  2. 岩を破壊する
  3. 右腕を切断する

おもちゃみたいな刃渡りのナイフしか持っていないことから3は除外。

1、2の方法も1人では、成功しそうにない・・・

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出典:127時間/facebook

挟まってからの時間経過と共に、アーロンは体力も精神も疲弊していく。

その心理描写があまりにも巧みで、速攻で感情移入してしまう演出。

「アーロン、気を確かに」と自分に言い聞かすシーンがとても印象的だ。

1~3の全てを試みてもうまくいかなかったアーロンは死を覚悟し、家族へ向けた最後のメッセージビデオを撮影する。

しかし、翌朝辛うじて目を覚ましたアーロンは、思ったより右手の腐敗が進んでいることに気付く。

そして、1時間かけて、持っていたおもちゃみたいな小さなナイフで腕を切断することに成功するのだ!!

あまりにも過激な表現で、上映中に失神する人までいたんだとか笑

感動のラストシーン

腕の切断に成功したアーロンは、フラフラの体に鞭を打ち、険しい渓谷を片手で歩き続けます。もうこの段階から僕は涙がうるうる。

何に感動していたのか正確には分かりません、なんて生への執念なんだ!!!この男すごい!!!という感情が近しい表現だろうか・・・

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出典:127時間/facebook

そんな時、たまたま休暇で訪れていたオランダ人家族に遭遇します!!

「I need help!!」

ここまで、ほぼアーロンしか登場人物がいないので、久しぶりに生身の人間が登場し、新鮮さを覚えた。

その時のBGMがさ・・・

水たまりで水飲んだ後ぐらいから流れ始めるこの映画の主題歌とも言える曲。

あっ、この曲「Festival」だ!

すぐに分かった。なぜなら僕はシガーロスのファンだからね。

救助に全力で協力してくれるオランダ人家族、そして、彼の捜索に出ていたヘリコプターに偶然発見され、彼は救助されるのである。

ここで感情は爆発します。

物語のクライマックス、絶望的な状況下における生への執念と根性、見ず知らずの人の献身的なサポート、シガーロスの名曲「Festival」(曲ずるいよ)

もう色んな感情が絡み合い、ボロボロ泣けます。(曲がずるい)

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原作と映画との相違点

映画の冒頭、アーロンはキャニオンで道に迷ったふたりの女の子に遭遇する。そして彼女たちをガイドして、事故現場とは別の、狭い割れ目の中へ入っていくシーンがある。(ここまでは事実)

そこから、映画ではその割れ目からアーロンはいきなりはるか下にある地底の湖にダイブする。そして女の子たちも真似して、いつしか繰り返し繰り返し、ダイビング遊びに興じるシーンがある。

原作にはこんなシーンはない。アーロンはそういう無謀なことは絶対にやらないと答えている。

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出典:127時間/facebook

ダニーボイルは水の中へダイブする遊びが大好きな様子。(僕も大大大好きだ)

彼の過去作品である「ザ・ビーチ」でも水へダイブするシーンがある。

自然を満喫する遊びの象徴でもある水へのダイブを、どうしても演出として取り入れたかったのだろう。

その他、映画ではアーロンの一人称で描かれているが、原作では同時進行で家族や友人、同僚などの行動も描写されている。

アーロンが無断欠勤するのはおかしいと、同僚はすぐに警察に連絡し本格的な捜索が開始される。すぐにアーロンの車が駐車場にあるのが発見され、ヘリコプターも捜索を開始。発見されたアーロンは、切断から4時間で1500CCもの出血をしていたという。

アーロンが出血多量になる前にヘリで搬送され病院で輸血できなければ、間違いなく助かっていない。

原作を読むと、アーロンの奇跡の生還は、アーロン一人だけのものではないということがよく分かる。

最後に

生きるために自分の体を傷つける。極限状態の中にあれば、そんな過酷な決断も人はできるものか。

人に切ってもらうなら分かる。ひとおもいに一気に。そういうシーンなら幾度と見たことはあるが、小さなナイフでしかも自らちぎり取るようなショッキングな状況は正に初めてだった。

この映画は、そこまでしてでも「生きる」ことの大切さを教えてくれる。

そして、自然の豊かさと、自然怖さ、畏敬の念を改めて感じずにはいられない。

この素晴らしい映画を見ていない方は是非今すぐに見ることをおすすめしたい。

グロいシーンが苦手な方はご注意を!!

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DON'T GIVE UP, ARON

DO NOT GIVE UP.

あと、行き先は必ず誰かに告げておこう!

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